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『空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎』を観てきました。
唐の時代、若き日の空海(染谷将太)が長安の都で出くわした不可思議な怪異を、知己となった白楽天(ホアン・シュアン)と共に追いかけ、真相に迫っていくという歴史ミステリーなファンタジー。 ええ、タイトルは『空海』ですが、修行の末に真言宗の開祖となる話ではありません。『孔雀王』のように法力使って化け物退治という話でもありません。「オン・アボキャ・ベイロシャノウ・マカボダラマニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン」とか唱えたりしません。真言全く唱えません。 長安で頻発している事件を、犯人(?)の吟じていた漢詩や阿倍仲麻呂の遺した日記から解き明かし、歴史に隠された悲劇に迫る……という内容なので、大体の方が想像していたような、弘法大師の伝記映画ではございません。歴史ものというわけでもありません。唐の時代を舞台にした幻想ミステリーです。 そして!! 裏の主役は猫! でございます。『大唐猫歩き 黒ニャンと綺麗なご主人様と坊主と詩人』ってサブタイトルの方が合ってるよ!多分な。 監督は何度も書いているけれど、美麗な映像を撮らせたら天下一品のチェン・カイコー。チェン監督のこだわりまくった映像が炸裂する今作、映像だけも充分に楽しめる作品です。昨今何から何までCGまみれの映画が溢れる中、セットを組んで再現した長安の都はスペクタクル感満載。映像に関しては文句無し。(玄宗皇帝が開いた宴のシーンはCGバリバリだけど、幻想的な宴を再現するには必要だったと思う) 染谷将太が演じる空海は、まさに美坊主という言葉がぴったり!いや、あのお兄さん、あんなに綺麗だったかな??と首を傾げたくなるくらいの美坊主っぷり。また相方の白楽天も中国的ハンサムさんでした。 そして!物語の鍵を握る絶世の美女、楊貴妃なのですが……文句なしの美人でした。いや、本当、ぽかーんと口開けたくなるほどの美人でした。中国系の女優さんって、すごい美人さん多いよなぁ。香港映画をよく見ていた頃にも思ったけど、美人多いよな……。 あの圧倒的なスケールの長安の都の光景と、空海の美坊主っぷりと、楊貴妃の美貌を拝むだけでも充分に満足する。 さて、裏の主役は猫と書きましたが。そうです。この物語のメインを張るのは、しゃべる黒猫です。某死神漫画の読者なら『夜一さんじゃん』と笑うところでしょうが、この猫ちゃんは攻撃力は夜一さん並みなのに、人間には化けません。化けられません。 この猫ちゃんには悲しい過去と事情があるのですが、それは映画館でご確認ください。 ……猫ちゃんのCG演出でよくできているなぁと感じたのは、前にも書いたけれど、大好きなご主人の幻に駆け寄って行くところ。ピィィンと尻尾を立てて駆けて行くのだけど、幻が消えると尻尾がシュンと垂れる。 ここを演出したのは、絶対に猫好きだな! 猫の細かい仕草のCGは、全体的に割とよくできていたと思います。時折猫っぽくない表情をすることもあったけど、猫の正体が正体だけに、きっと『それ』も含めての演出。 上映館が大分減ってきたと思いますが、『映像』を眺めるだけでもうっとりする映画なので、興味ある方は是非映画館で! あの壮大な長安は、大画面で楽しまないと!
by hypermind
| 2018-03-27 07:07
| 映画
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