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『この世界の片隅に』を観てきました。小生にしては珍しく、邦画アニメです。いや、ここまで絶賛されている映画も珍しいからさ。
いや、これ、すごいわ。物語の構成、画作り、声優さんの演技……どれも素晴らしかった。 昭和19年に広島市から呉にお嫁に来た、広瀬すずさん。普通の女性である彼女の日常を淡々と描くことで、あんなに戦争を感じる内容に仕立てられるのはすごい。日本人なら誰しも、昭和20年8月15日に広島で何があったか知ってるでしょ?そのX-dayに向かってカウントを打つように、画面に表示される日時。平和で穏やかな日常。軍港の町・呉の海には大和や武蔵といった大型戦艦が航行していたりするんだけど、穏やかで平和な日常。それが段々と米軍の空襲が激しくなり、対空砲の煙幕が空を染める。時限式の投下爆弾で悲劇が起きても、それでも時間は進んでいく。 日常を描く作品だけあって、あの当時の道具の使い方や家事の仕方などが丁寧に描かれている。特にくけ台を使っているのを、あんなにきちんと描いたアニメは初めて見た。小生の祖母は明治生まれだから和裁が出来たのだけど、ああいう道具使ってチクチクやってたなぁ、小生の半纏縫ってくれたなぁ……と、在りし日のばあちゃんを思い出したり。 少ないご飯をボリューミーに仕立てる炊き方やら、雑草をなんとか食事に仕立てる知恵やら、戦中の日常が細やかに、時にはユーモラスに描かれていて、すずさんの嫁入り当初はわりと日常コメディ的な楽しみ方も出来る。天秤棒担いで周りをなぎ倒す様は、どこぞの香港映画のようだった(笑 すずさんに関わる二人の男性、夫の周作さんも、幼馴染みの水原もいい男だよな。いや、好きな声優さんが演じているとか、そういう訳でなくて。特に水原が呉に帰港した際、同郷のすずさんを頼って北條家にやって来た辺りのくだりは、よくある三角関係ですがな。そりゃ、周作さんも母屋に泊めたくないわな(笑)。でもすずさんと話す時間を設けてやる辺りが、度量の広いいい男だよなぁとは思う。ちゃんとあんかも用意してやってたし。いきなり嫁にしてしまったって負い目もあったのかな。 周作さん役の細谷さんも、水原役の小野Dも、アニメというよりは吹替えに近い演技だった気がする。周作さんの広島弁がとてもナチュラルだな〜と思ったら、細谷さん尾道出身なのな。そりゃ、広島弁上手いわ! 終盤。すずさんの妹のすみちゃんが、なかなか床上げできない理由、そして腕に浮かんだ内出血の原因を悟ると、胸が痛い。「ああ、もう、勘弁してくれ」と呻きたくなる。『はだしのゲン』を読んで育っていると、あの後すみちゃんが元の健康な状態に戻れる可能性は限りなく低いと想像できるだけに、辛い。 全体的に柔らかい色彩の画作り。往年の広島や呉の街並に、美術監督頑張りを感じずにはいられない。でも空襲のシーンはトーンがやはり変わっていて、ほわほわとした日常がガラリと恐ろしく変貌する。落差が激しいだけに余計にそう感じるのかも。焼夷弾を落とすシーンは音と映像が相まって、滅茶苦茶怖い。とにかく音が怖い。 エンドロール。すずさんの裁縫箱が出ていましたが、あれ、柄からするに多分樺細工。小生も樺細工の万年筆持ってるから、気になったのだけど。 んで。和裁箱を樺細工で仕立てると……結構値段張ると思います。すずさん、お嫁入り道具はいいものを揃えてもらったんだね……と考える辺りが小生であります。 観て損はない映画。ただし、ほわほわした雰囲気で始まるけど、中盤から色々とヘヴィになるので……観賞後のことは保証しない。 ……あの、橋の上の籠持ったアレは、一体何なんでしょうね?
by hypermind
| 2017-04-07 07:11
| 映画
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Comments(2)
Commented
by
katuhiro-iyama at 2017-04-09 00:43
あなたのこの映画の感想が聞きたかった。どうもありがとう。
読んで、またあの視聴後の衝撃がよみがえってくるようです。
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Commented
by
hypermind at 2017-04-09 12:31
いつも洋画ばかりの小生でしたが、今回は観てよかったと思います。
君のおかげで観に行く気持ちが固まりました。いい映画を教えてくれてありがとう。
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