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ギリシャ・聖域。
黄金聖闘士随一といわれるサイコキネシス能力を持つムウにとって、日本とギリシャの間の距離など、ないも同然だった。 あっという間に聖域の入り口に到着した二人は、慣れた足取りで十二宮への石段を登る。 「あのさ、ムウ」 「何でしょう」 「今から教皇の間まで行くわけ?」 「ええ」 涼しい顔で答えるムウ。 「シオン様は、今日はお仕事ですから」 「……俺、流石にあそこまで行くのは……。シオンが白羊宮にいる時なら、いいんだけどさ」 「何を言っているのですか」 バッサリと、それこそシュラのエクスカリバーと勝負できるくらいバッサリと、ムウは斬り捨てる。 「教皇にお話があるのなら、教皇の間に出向くのが筋でしょう」 「……それもそうだよなぁ」 正論であるが故に反論できず、げんなりと肩を落とす。 と、同時に。 星矢は、ムウの様子がいつもとは違うような気がしてならなかった。 口元には柔らかい『いつもの』優雅な笑み。 小宇宙だって平常のものだ。ピリピリはしていない。 けれども、何処か違う。 『ああ、考える時間をあまりくれない事かな』 いつものムウなら、こんなに急かさないし、ぐいぐい引っ張ったりもしない。 あくまでも裏方に徹し、自分たちの行動をこっそりサポートする。 そんな動きが多かったムウが、シオンに謝ると告げてからは、ひどくアクティブに行動する。 『やっぱり、シオンが大事なんだな、この人』 人好きのする柔らかい笑みに隠された、師に対する想い。 ムウも、こんな感情を抱いていたのである。 ……その時の星矢は、そう考えていた。 一時間ほど長い石段を歩くと、ようやく教皇の間に到着する。 謁見の間の緞帳の奥に、教皇の間の執務室はあった。 「シオン様、いらっしゃいますか?」 緞帳を上げ、中を覗くムウ。 執務室内は近代的なオフィスに改装されており、中と外のギャップが凄まじいことこの上ない。 一度所用でここを訪れたカノンが、 『外見はパルテノン神殿で、中はニューヨークの証券取引所レベルって、何処までズレてんだよ』 と、率直な感想を口にしていた。 『確かに、ここまでギャップあったら、一見さんはビビるよなぁ』 星矢も初めて執務室を訪問した時えらく驚いたクチだから、カノンの言葉には素直に同意する。 執務室にはアイオロスとシオンがおり、黙々と書類を片付けていた。 アイオロスはムウに気付くと、パソコンのモニターを睨んでいたシオンに声をかける。 「教皇、ムウが来てますよ」 「……ふむ」 ゆっくりと顔をあげるシオン。やや目がしょぼくれているのは、パソコン作業のせいだろうか。 「どうした、ムウ。お前がこちらに参るなど、珍しいな」 ムウはシオンと同居しているので、用事は大体白羊宮で足りる。 そのムウがわざわざ教皇の間に出向くなど、何かあったとしか思えない。 「ええ、今日はシオン様にお客様をお連れしました」 「客?私に?」 丸い眉を訝しそうに顰めるシオン。 独特の色合いの瞳が、やや細められる。 ムウは笑顔を崩さぬまま緞帳の外に居た星矢の手をつかんで、半ば放り込むようにして入室させた。 「うわっ!!」 普段はカリスマ主夫だが、やはり黄金聖闘士である。星矢も、咄嗟には反応できなかった。 放り込まれ、そのまま床の上に落下。顔面をしこたま強打する。
by hypermind
| 2016-10-16 00:45
| 小ネタ
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