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ギレン閣下、これはヤバイです!!
と、思わず叫びそうになるこの演説、吹替えを担当しておりますのは鳥肌実閣下であります。 しかしまぁ、よくこんなもの作ったよねー(笑。作った人に乾杯。 鳥肌実というと、よく引き合いに出されるのが三島由紀夫。 でも鳥肌は国粋主義的なパフォーマンスを洒落でやっているように見えるけど、三島は・・・ガチでやってたような・・・。 自衛隊の市ヶ谷駐屯地に乗り込み、総監を縄でぐるぐるにしちゃう。そして隊員の皆様の前で一生懸命演説し、リアルで『立てよ!国民!』やるのはいいけど、嘲笑されたり、または相手にされず、その後武士の作法によって切腹という、小説や映画の中でしか拝めないような事をやってのけたからね・・・。 (丁度昼時で食事の時間の前だったため、自衛隊員の皆様はお腹がすいて三島の演説どころではなかったという話をどこかで読んだけど、どうなんでしょうね?) 三島作品は『禁色』、『仮面の告白』、『潮騒』、『金閣寺』、『美徳のよろめき』、『葉隠入門』、『サド公爵夫人』、『近代能楽集』、『殉死』を読んだけど、どれも繰り返して読む気にはなれなかったなぁ。今でも読み返すのは・・・『葉隠入門』くらいかな? 理由を考えてみたのだけど、あれは『葉隠』の一部を三島が抜粋し、それに(三島なりの)現代語訳をつけるという形だから、三島の作品の中じゃ比較的三島色が薄いんだよね。(豊饒の海読んでないくせに偉そうに言ってるな・・・)だから結構読みやすいのかな。 上手く表現できないけど、三島作品はある種の匂いが強烈で、それにはまるかはまらないかが、氏の作品を好きになるかどうかの分れ目になると思う。 三島作品はすごいと思うよ。よくあんな文章書けるよなぁと、素直に感心はする。でも、好きかと問われると肯定できない。そんな感じ。 なお『禁色』と『仮面の告白』は、ボーイズラブ(……)が題材になっておりまして、久しぶりに純文学読んで腹抱えて笑った。これを友人に読ませたところ、『最大大手!』『島スペース!』『壁!』(意味わからない方、すみません)と爆笑してました。 とにかく、三島の同性愛題材の作品は、台詞や描写が強烈! 『(男に向かって)僕に飽きちゃったの?』とか『養殖物の真珠が天然物の真珠を羨むような』とか、抱腹絶倒ものの言葉が満載。 なお、三島氏のエピソードで好きな話をいくつか。 ・三島青年、太宰治を囲む会に行きました。で、太宰にこんなこと言っちゃう。 「僕、太宰さんの文学は嫌いなんです!」本人前にして言うか、フツー。 それを言われた太宰は、「嫌いなやつはここにはいねぇよな」とお返事。 なお、その際の太宰の様子ですが『微笑んで華麗にかわす』というものと、『大人気なくブチ切れた』という2種類の話を見かけました(笑。どっちなんでしょうねぇ?太宰の性格じゃ恐らく後者だと思うんですけど。 ・美輪明宏氏と親しかった三島氏。ある時美輪氏にこんな事を話す。 「僕と君では同じくらいの審美眼を持っている。しかし毎日鏡を見る回数は一緒だ」 …美輪さんの美貌が羨ましかったんだね…。 ちなみに三島さん、言われて一番嬉しい褒め言葉はセクシーな男だったそうで、(そこ、笑っちゃいけません)『先生はセクシーですね』と書かれたファンレターをわざわざ他人に見せに行ったらしい。見せられた方はどんな反応しろと言うのじゃ。 今度『豊饒の海』が映画化されるせいなのか、本屋に行くと宇多田ヒカルの映画主題歌ががんがん流れているんだな。♪ビマ〜〜〜〜ラァァァァァなんていうの。 今日の話題がこれなのは、その歌に洗脳されてしまったせいです(笑
by hypermind
| 2005-10-24 18:31
| 読書
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